NPO法人 がんの子どものトータルケア研究会静岡について
設立の趣旨
小児がんというかつての不治の病は、治療法の目覚ましい進歩により約7割が治癒する時代になりました。しかしがんとの戦いを終えるまでの道程において子ども達が被る身体的、精神的負担は甚大ですし、またがんが治ったとしても強力な治療の影響によって障害が残ることが少なくありません。残念ながら治療が奏効せず短い命を閉じる子ども達が一定の割合でいるという現実からも目を背ける訳にはいきません。
小児がんの子ども達が抱えている、大人でも耐えられない程の負担を少しでも軽くするために診療に携わる医療者として何ができるのか、それを模索する場として私達は平成5年3月に任意団体「がんの子どものターミナルケア・トータルケア研究会」を発足させました。始めた当初は他に参考になる組織もなく手探りの状態でしたが、次第に小児がんの子ども達のターミナルケア・トータルケアに関する研究発表の場として、そして教育の場として機能するようになりました。最近では子ども達を支援して下さる様々な分野の方々の交流の場としての役割も果たしています。このように進化を持続できたのは、本研究会に参加していただいた多くの人達の、子ども達を思う熱意と新しい考えを素直に吸収しようとする柔軟な思考によるところが大きかったと思います。
本研究会は、子どもへの病気説明と子ども自身による治療選択の支援、在宅ターミナルケアの実践、治癒を目指す医療とケア主体の医療との区別、ケアの質的向上など、日本の実状からするとかなり先駆的な考えを取り入れて実践してきました。私達はこれらの成果を生み出した姿勢をこれからも継続し、そしてさらに活動の幅を広げたいと考え、平成20年に本研究会を特定非営利活動法人(NPO法人)として組織しなおし、名称も「がんの子どものトータルケア研究会静岡」と改めました。
これからも小児がんという病と闘うことを余儀なくされた子ども達とそのご家族に対するトータルケアの研究を継続し、彼らの生活の質が少しでも向上するように活動していきたいと思います。
役員
理事長 | 静岡県立こども病院 血液腫瘍科 | 渡邉健一郎 |
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副理事長 | 静岡県立こども病院 がん化学療法看護認定看護師 | 加藤由香 |
副理事長 | 浜松医科大学 小児科 | 坂口公祥 |
理事 | 聖隷浜松病院 小児科 | 松林 正 |
理事 | 青空の会 代表 | 加藤真弓 |
理事 | あおぞら診療所しずおか | 天野功二 |
理事 | 静岡県立こども病院 血液腫瘍科 | 堀越泰雄 |
理事 | 浜松医科大学 看護学科 | 宮城島恭子 |
監事 | 医療法人白梅会白梅ケアホーム 施設長 | 本郷輝明 |
(2023 年 3 月 1 日現在)
事業・予算
NPO法人概要、事業報告、予算等公開資料については、下記より内閣府のホームページをご覧ください。